バイオリニスト・高嶋ちさ子の父であり、かつて日本にビートルズ旋風を巻き起こし日本音楽界を牽引した伝説の音楽プロデューサー・髙嶋弘之が、6月10日発売のCDデビューを記念して本日6月9日、東京・カメイドクロックにて発売記念イベントを開催した。

92歳にしてアーティストとしてメジャーデビューを果たすという、前代未聞の挑戦を一目見ようと会場には早くからファンが詰めかけた。イベントがスタートすると、ステージ中央の椅子に座り、独特のユーモアで一気に会場を和ませ自身の人生を振り返りながら、戦時中そして終戦後の忘れることの出来ない記憶に紐づいた『リンゴの唄』を唄い上げた。

かつてプロデューサーとして数々のヒットを世に送り出してきた髙嶋だが、この日は一人の歌い手としてステージに堂々登壇。どこか懐かしく、そして聴く者を自然と笑顔にする温かみのある歌声に、会場からは大きな拍手が沸き起こった。
歌唱を終えると、音楽プロデューサー時代のエピソードから、『君のいない朝がくる』の制作秘話へ。本作は、きたやまおさむ作詞、都倉俊一作曲という、数々の名曲を世に生み出したヒットメーカー2人によって手掛けられている。かつてディレクターとして2人のデビューを手掛けた髙嶋が、長い時を経て今度は「自分のために」書いてもらった、特別な絆から生まれた1曲だ。
テーマは、9年前に最愛の妻を亡くした髙嶋が、その後の日々で感じてきた寂しさや、伝えられなかった「ありがとう」の想いが綴られている。
「聴いてくださる方が、かつて傍にいた大切な人を思い出すきっかけになれば」――そんな髙嶋の祈りにも似た歌声に、この日一番の温かい拍手が送られていた。
イベント終了後には、詰め掛けたファンと言葉を交わしながらのサイン会も。
■『君がいない朝がくる』

作詞/きたやまおさむ 作曲/都倉俊一
6月10日発売
キングレコード KICM-2171
C/W『リンゴの唄』
作詞/サトウハチロー 作曲/万城目 正
■髙嶋弘之プロフィール

1934年5月18日生まれ
兵庫県神戸市出身
株式会社シンバ取締役兼ゼネラルプロデューサー
東芝レコード時代にビートルズ担当ディレクターとして一大ブームを巻き起こし、黛ジュン、ザ・フォーク・クルセダーズ、由紀さおりなど多くのアーティストを手掛ける。
その後、キャニオン・レコード(現ポニーキャニオン)を経て、ポリグラム・グループ(現ユニバーサル)の要職を歴任した後、独立。髙嶋音楽事務所を主宰し、現在に至るまで数多くの人気クラシック・アーティストをプロデュース。
俳優・髙島忠夫を兄に、ヴァイオリニスト・髙嶋ちさ子を次女に持つ。
91歳で初のソロ公演「髙嶋弘之 私の好きな昭和歌謡」を開催し、2公演ともにチケットは完売。そして92歳にしてCDデビューを果たした。