消えない歌声/川上大輔さん ワンマンライブ

空になったステージと会場になお残る、

熱い余韻と、歌声…

全身を包む、その歌声にとらわれたように

終演後もしばらく動けなかった

10月1日、日本橋三井ホールで開催された、

「川上大輔 AUTUMN LIVE2017」

残念ながら取材することは叶わなかったけれど

一観客として拝見できた

こんなにも

自由自在に羽を広げた歌声だったっけ…

幕開けの新曲『人魚のように』から釘づけ

デビュー年のヤクルトホールでは

才能豊かな声に驚き

ライブを重ねる毎に「自分らしさ」を確立してゆく姿が

頼もしかったり、少々歯がゆかったり…

最近のアコースティックライブで

(前にも書いたっけ)

魂ゆさぶられる歌があって

今回は

理屈が吹き飛ぶほど

夢中で、繰り広げられる歌世界に入り込んでしまった

キーボードを立って弾きながら唄ったり

お父さまの遺品であるギターで弾き語ったり…

川上さんのまわりに

たくさんの音符が飛んで舞っているみたい

朗読を絡めながら唄った、暖簾、秘恋、紫陽花、枯葉

朗読…川上さんが放つ言葉に

雨に濡れながらも鮮やかに咲き誇る紫陽花が見え、

切ない恋物語が展開した

そうか、唄う言葉一つひとつに魂が踊っているから

歌がまっすぐにゆさぶってくるのか

なんて、考える間もなく

まるで短編映画を次々に観ているかのようで…

雪に包まれて、君は僕の半分

と続いたときには、知らぬ間に涙腺が…

あの声の色、響きと

歌詞に命を宿らせられる力――

なんかもう、もっと大きな世界で活躍できるんじゃないか

して欲しいと

心底、感じた次第です

あれから10日以上

公私ともに、たくさんの歌を聴きましたが

川上さんの歌声は記憶から消えることなく

感動の上書きをされることなく

今も、すぐに心から取り出せる場所で鳴り響いております

いい歌を、本当にありがとう

誌面でお伝えできないのが

とても、残念…

書きたいことがありすぎて

とりとめなくなってしまった

たくみ@ライブ音源、発売してくれないかなぁ…

歌の手帖 2017年11月号 | 歌の手帖,2017 | 歌の手帖社 utate online

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