6月3日土曜日の夕方、東京は王子、北とぴあ16階からのながめです。秋吉真実ちゃん改め、新川めぐみちゃんの新曲お披露目会場です。
日本クラウンが社を挙げてバックアップといった感じの熱の入りようで、期待されてるんですなぁ。頑張ってね!
さて、ご来賓に全音楽譜出版社のお歴々がいらしてました。ゼンオンと言えば日本音楽界良識の府、この道を志す日本中の音楽少年少女達にとって象徴的なブランドです。
うちにも全音印の楽譜が何冊もありますが、何と言っても忘れられないのはゼンオン・アベ・ギター。そう、昔は楽器も作っていらしたのです。
昭和48年のある日、帰宅した父がクラシック・ギターのケースを下げていました。母の誕生日プレゼントという口実で買ったらしいですが、自分がギターやりたかったんですな。僕は小学校の四年生でした。
実は父の高校の同窓に、製版でゼンオンさんの関連だった会社の人がいたらしく、世話してもらったのだと後に聞きました。日本製のクラシックギターで当時市販価格3万円というのは、量産品としては高級な部類です。相当、安くしていただいたんじゃないでしょうか。
その三年後、13歳になった私が弾くようになり、以後現在に至るまで大切に愛用しております。ゼンオン・アベ・ギター330、ショート・スケールのため低域の迫力は今ひとつですが、あの頃は回りの友人たちが持っているギターと比べると、明らかにワンランク上といった音と仕上がりで、誇らしく思っていたものです。
この日、司会の牧野さんが来賓各位を紹介しているのを聞いていて、隣の席の寺本さんと「スゲえな、ゼンオンが来てるよ~お話できるかな~」などと話しておりましたら、何と終演後、先方様から名刺を手にご挨拶にいらして、恐縮しました。
天下のゼンオンさんを来賓に招くとは、新川やるな!(失礼)
月刊歌の手帖2017年7月号 | 歌の手帖,2017 | 歌の手帖社 utate online