氷川きよしのコンサート「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25th Anniversary Concert Tour ―KIIZNA―」が1月17日、東京・有明ガーデンシアターにて開催され、駆けつけた6500人のファンを前に未発表曲を含む30曲を披露した。
オープニングナンバーの『WALK』で、襟にスワロフスキーをあしらった黒の燕尾服で客席から登場するというサプライズに大きな歓声が沸いた。自らが作詞を手がけ、木根尚登(TM NETWORK)が作曲した大切な曲を、伸びやかな声で広い会場の隅々にまで響き渡らせ「今日は思い切り楽しんでいってください」と笑顔で客席に語りかけていた。
そして白の燕尾服に着替え登場すると『歌は我が命』で、改めて唄い続けることの決意を力強い歌で表現。故郷からの旅立ちを描いた『出発』、『星空の秋子』『甲斐路』『大丈夫』、そして『きよしのズンドコ節』など人気曲を次々と披露していくと、客席のペンライトが激しく揺れる。そしてスクリーンに氷川のこれまでのこと、これからのことを綴ったメッセージが映し出された。丁寧に思いをきちんと届けたいという氷川の気持ちが伝わってくる。
年末の「紅白歌合戦」でも着用した白紋付黒袴に着替えると、『ちょいときまぐれ渡り鳥』を歌唱。そしてここで、客席でこのコンサートを観ていた氷川の親友・彦摩呂をステージに呼びこむ。「なんでも相談した、東京のお兄ちゃん」と慕う彦摩呂と思い出話に花を咲かせると、客席にも笑顔の花が咲いていた。
その後、『大井追っかけ音次郎』『箱根八里の半次郎』『男の絶唱』と続け、紅白でも披露した『白雲の城』では、ドライアイスと鮮やかな月の映像と組み合わせた演出で、まるで雲上にいるかのような幻想的な世界を作りだすなど、演歌の名曲を圧巻の表現力で唄い、まさに“氷川劇場”に客席は引き込まれていた。
うしろにKIINA.と大きく描かれた、襟と袖にファーのついたダメージデニムのセットアップに着替えた氷川が、サプライズサプライズゲストの木根尚登と共に登場すると、大きな歓声があがる。そしてTM NETWORKの『SEVEN DAYS WAR』を披露し、続いて『You are you』を披露。一人ひとりがかけがえのない存在と、自己肯定を強く意思表示する歌詞を唄う氷川の声と木根のコーラスが重なると、歌詞に込められた情感と温もりが際立ってくる。そしてこの日が初公開となる未発表曲『はじまり』を投下。氷川が「子供の頃の思い出を歌詞にして、木根さんに曲を書いてもらいました」と語る、切ない歌詞と優しいメロディが感動を運んでくるバラードだ。
氷川が父のことを描いた『FATHER』では、木根の温かなハーモニカの音色がさらに切なさを増幅させる。大切なパートナー(愛犬)のことを唄った「きみとぼく」、そして漫画家・ヤマザキマリが作詞、木根が作曲を手がけた、慈愛に満ちた温かいナンバー『生まれてきたら愛すればいい』まで、木根とのセッションを楽しんでいた。
本編ラストの『あなたがいるから』では「撮影OKです」と客席に伝え、ファンを喜ばせた。
アンコールはドレス&パンツスタイルで登場し、一曲目はクイーン『ボヘミアン・ラプソディ』の日本語詞カバー(訳詞:湯川れい子)だ。氷川の圧倒的な表現力とパワフルな歌をバンド、ストリングス、コーラスがドラマティックな演奏で盛り上げると、壮大なオペラロックが完成した。
ラストの「真実なんて誰にもわからない。ただ風が吹くだけだ」という歌詞も、氷川の心模様を映し出しているようだ。続けて『雷鳴』と、ロックナンバーを立て続けて唄った。『キニシナイ』ではバズーカで客席にカラーボールを届け、客席に降り、唄いながらファンと触れあう。
今や氷川の代名詞にもなっている人気曲『限界突破×サバイバー』のイントロが流れると、客席の盛り上がりはクライマックスに。そしてラストナンバーは歌詞の冒頭が、氷川のデビュー記念日<2月2日>から始まる『碧し』だ。<今日は ただ 本当にありがとう>と、集まったファンに歌で感謝を伝え終了した。
演歌、ロック、ポップス、音楽の枠を越え、縦横無尽に行き来する稀代のシンガーの生き様を映し出した約3時間だった。
このコンサートは復活コンサートの初日として、昨年8月16日に行われる予定だったが台風の影響で延期になっていた。この公演をもって、東京の他大宮、大阪で行なってきた25周年記念コンサートを完遂。新たな気持ちで2025年を突き進む。
※氷川は2022年12月14日東京国際フォーラムホールAでのコンサートを最後に、無期限の歌手活動休養に入り、昨年8月17日に1年8ヶ月振りにステージに立ち、大きな注目を集めた。
また、1月31日には〈劇場版 氷川きよし KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25th Anniversary Concert Tour KIIZNA〉が全国公開される。2024年8月17日に開催された東京ガーデンシアターでの公演をベースに、WOWOWで放送された映像に再編集。舞台裏での様子なども加え、氷川がどのような思いでステージに立ったのかが克明に描かれている、劇場限定のドキュメンタリー映像だ。
初日の模様に特典映像がついたDVD+CD、DVD、CDが『「KIYOSHI HIKAWA+KIINA. 25th Anniversary Concert Tour〜KIIZNA〜」@東京ガーデンシアター』として3月26日に3形態で発売される。
さらには、新たに氷川きよし+KIINA.新オフィシャルファンクラブ「KIINA’S LAND(読み:キイナズランド)」が2月2日10:00に発足することも本日、発表された。
■曲目一覧
M-1 WALK
M-2 僕と私の1ページ
M-3 泣けてくるけど 笑えてくるの♡
M-4 Happy!
M-5 歌は我が命
M-6 出発
M-7 星空の秋子
M-8 甲州路
M-9 大丈夫
M-10 勝負の花道
M-11 きよしのズンドコ節
M-12 ちょいときまぐれ渡り鳥
M-13 大井追っかけ音次郎
M-14 箱根八里の半次郎
M-15 三味線旅がらす
M-16 男の絶唱
M-17 白雲の城
M-18 SEVEN DAYS WAR
M-19 You are you
M-20 はじまり
M-21 FATHER
M-22 きみとぼく
M-23 生まれてきたら愛すればいい
M-24 恋、燃ゆる
M-25 あなたがいるから
M-26 ボヘミアンラプソディ
M-27 雷鳴
M-28 キニシナイ
M-29 限界突破xサバイバー
M-30 碧し