今年8月、念願の笠置シヅ子音楽劇「SIZUKO!QUEEN OF BOGGIEハイヒールとつけまつげ」の再演を無事に終えた神野美伽が10月15日、これぞ“神野演歌“の真骨頂ともいえる「演歌」に特化したコンサートをヒューリックホール東京にて開催した。
第1部のオープニングでは、スペインの画家ジョアン・ミロの作品をモチーフにしたデザインの衣裳を着て客席から登場。会場はひと際大きな歓声に包まれた。
「2025年、神野美伽の演歌のコンサートはじめましょう!」と観客へ元気よく挨拶。昭和を代表する歌手の一人である村田英雄の『花と竜』からスタートし、『無法松の一生~度胸千両入り』へと繋げて披露。「バレンタインチョコのお返しにこの曲の詞をいただきました」と思い出を語り、村田英雄が生前、神野の為に書き下ろした秘蔵の楽曲『往生しなっせ』を唄い上げた。
続いて神野の母が大好きだという、こちらも昭和を代表する歌手・美空ひばりの名曲から『みだれ髪』と『リンゴ追分』を現代風にアレンジし、立て続けに歌唱。東京ドームでみた美空氏のコンサートでの思い出を語った。
更には、自身も主演で本人役を演じた笠置シヅ子の『東京ブギウギ』『買物ブギ―』と歌唱し、客席は大盛り上がり。「会場は笠置シヅ子さんに因んだ日劇跡、地の“ヒューリック東京“を選びました。一番唄わせていただいている笠置シヅ子さんの曲を歌います」と語り、『ラッパと娘』を歌い上げ、第1部を華やかに締めくくった。
続く第2部では、画家ヒロ・ヤマガタの作品をモチーフにしたデザインの衣裳を纏い、自身の楽曲である『男船』と『男の海峡』を続けて披露。
その後、コンサートではカバー経験がほとんどない北島三郎・坂本冬美・天童よしみの代表曲から観客にリクエストを募り、北島三郎『風雪ながれ旅』、坂本冬美『夜桜お七』、天童よしみ『道頓堀人情』が選ばれ、それぞれ思い出を語りながら歌唱。「20代の時よりも、30代の時よりも、今が一番良い声がでている!」と満面の笑みで宣言した。
コンサートが佳境に入ると、『浪花しぐれ桂春団治』(京山幸枝若)、『座頭市子守歌』(勝新太郎)と続け、『酔歌ソーラン節』(吉幾三)ではソーラン節コールが鳴り響き、会場全体が神野美伽の世界に染まった。
そこから間髪入れずに『春夏秋冬屋形船』、2003年に紅白歌合戦で歌唱した『浮雲ふたり』、40周年記念曲『夜が泣いてる』を立て続けに歌い上げ、「年齢を重ねると曲への思いが変わる、年を取るのもいいね」と語った。その後、最新曲『まっぴら御免』、昨年リリースされた『天の意のまま』を続けて熱唱した。
最後に、「立ち上がっていただいて、体を自由に使ってお楽しみください」と優しく語りかけると、会場の空気が一変、観客は次々と席を立ち上がった。そしてラストナンバー『あんたの大阪』では、力強くも感情たっぷりに熱唱。会場は一体となって盛り上がり、感動の渦に包まれながらコンサートは幕を閉じた。
「神野美伽の演歌のコンサート」はこの後、11月26日(水)に大阪新歌舞伎座、11月27日(木)京都ロームシアター サウスホールでも開催する。
また、11月15日(土) には東京・草月ホールにて「神野美伽さんが歌うはじめてのシャンソン」、12月14日(日)には愛知・中日ホールにて「神野美伽 Boogie,Jazz&Song 2025」も開催。
■曲目一覧
15th Opening
花と竜
無法松の一生~度胸千両入り
往生しなっせ
みだれ髪(Popver)
リンゴ追分(アフロVer)
東京ブギウギ
買物ブギー
ラッパと娘
船
男の海峡
風雪ながれ旅
夜桜お七
道頓堀人情
浪花しぐれ桂春団治
座頭市子守唄
酔歌ソーラン節
春夏秋冬屋形船
浮雲ふたり
夜が泣いてる
まっぴら御免
天の意のまま
あんたの大阪
■新曲『まっぴら御免』
作詞/荒木とよひさ 作曲/岡千秋 編曲/猪股義周
5月14日発売
C/W『往生しなっせ』
作詞/村田英雄 作曲/立花淳夫 編曲/猪股義周
■「神野美伽の演歌のコンサート」
11月26日(水) 大阪新歌舞伎座
15時開演
S席10,000円 A席6,500円
お問い合せ=新歌舞伎座テレフォンセンター06-7730-2222
11月27日(木) 京都ロームシアターサウスホール
13時30分開演
SS席 ¥8,800 S席 ¥7,700
チケット=グッドラック・プロモーション0570-030-707(平日10:00~16:00)
■「神野美伽さんが歌うはじめてのシャンソン」
11月15日(土) 東京・草月ホール
17:00 開場/18:00 開演
■「神野美伽 Boogie,Jazz&Song 2025」
12月14日(日) 愛知・中日ホール
13:00開演
■神野美伽プロフィール
1965年8月30日生まれ。大阪府出身。
資格/少林寺拳法二段、書道二段、日本舞踊名取「花柳糸美之」、ハングル能力検定3級、1級船舶操縦免許
ペット/犬3匹
その他/エンジン01文化戦略会議会員(動物愛護委員会)
1976年、10歳で出演した歌番組で大手プロダクションスタッフの目に留まりスカウトされる。
84年、高校の卒業を待ち、演歌歌手としてデビュー。デビュー当時から話題を呼び、85年の『男船』が70万枚を超えるヒット。
87年、「NHK紅白歌合戦」初出場。その後も多数の受賞を重ねる。
99年には日本人初の韓国デビュー。2001年にはテレビ番組の「ハングル講座」でレギュラー出演をした他、様々なテレビ・ラジオ番組で司会を務めるなど、伝統的なジャンルの歌手としては異例の経歴を重ねていく。
また、芝居歴も豊富で、シリアスからコミカルまでこなす演技の幅が認められ役者としても注目を集めている。ニューヨークでもLIVEを継続的に行い、国内外のロックフェス出演や他ジャンルのアーティストとのコラボも積極的に行ない、活動の幅を広げている。
2018年はデビュー35年目のメモリアルイヤーを迎え、記念アルバムにはマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲル、大江千里、古市コータロー(THE COLLECTORS)、クハラカズユキ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT、The Birthday)ら豪華アーティストが参加し、その音源は世界配信を行っている。19年11月の舞台「SIZUKO!QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~」ではブギの女王・笠置シヅ子の人生を演じ切り、歌唱力だけではなく抜群の演技力も見せつけた。