デビュー34年目を迎え、新曲『ちりぬるを』が好調の市川由紀乃が10月1日、東京・東京国際フォーラムホールCにて「市川由紀乃リサイタル2026 爛漫」を開催した。

2024年6月7日、卵巣腫瘍の疑いで芸能活動を休止することを発表し、8月21日に卵巣がんと診断されたことを公表。2025年2月20日に歌手活動再開を発表するまでの約9ヶ月間、歌手活動を休止し、同年5月19日に地元・埼玉県のサンシティ越谷市民ホールで本格的な復帰コンサート(ソロコンサートは357日ぶり)を開催し、完全復活を果たした。
開演前のマスコミ取材でリサイタル直前の心境を聞かれ、「晴れ晴れとした思いと、いい緊張感と喜びでいっぱいになっています」と笑顔を見せながら「私は結構、雨女なので、リサイタルの日にちが決まってからはお天気がとても気になっていて、今日も雨の予報だったので、晴れてほしいなとずっと願っていたのですが、皆さんの願いが神さまに通じたのか、いいお天気になったのでとてもうれしいです」。
また、今年を振り返っての質問には「キャンペーンを昨年以上に地方でもやらせていただき、生の歌を皆さんに届けられた1年だったかなと思っています。今日は、毎年秋に集大成のリサイタルを開催できる喜びを舞台で噛みしめ、来てくださったお客さまが“今日も楽しかった。また来年もリサイタルに来たい”と思っていただけるように、今年も様々な挑戦があるので、そういう楽曲をいまの自分だから届けられる思いというのがあるので、最後まで精いっぱい駆け抜けていきたい」と答えた。

▲開演前の取材にて
約1500席の会場はデビュー当時からの熱烈なファンらで満席となり、復帰後にリリースした『朧』でオープニングの幕を開けた。

「今回のリサイタルのタイトルは〈爛漫〉と付けさせていただきました。ここには、私自身の思いが詰まっています。これからの歌手人生、どんな逆境にも負けずに美しく豊かに咲いていけたら…そんな思いを込めてつけました。その思いが今日、皆さまにお届けさせていただく作品を通じて、そして自分の言葉を通して皆さまの耳からお心に届けられるそんな時間を皆さまと一緒に務めさせていただきたいと思います」とあいさつ。

恩師の作曲家・市川昭介(2006年9月26日没、享年73)が他界して20年が経ち、「一番最初にいただいた作品の思い出は、デモテープを聴かせていただいた先生の声がテープレコーダーから届いた瞬間です。デビューして7年が経ち、先生の歌を(ようやく)いただくことができてとてもうれしかったです」と懐かしみ、2000年3月24日に発売した『海峡氷雨』を熱唱。さらに、市川昭介作品で彼女が尊敬する都はるみの『涙の連絡船』、市川由紀乃が生まれた年に大ヒットした中島みゆきの『時代』などを、その当時を思い出しながら1曲1曲、噛みしめるように披露。

後半は、斬新なアレンジで股旅演歌『昭和生まれの渡り鳥』からスタート。続いてオリジナル曲も原曲とは異なるアジアンテイストのオリエンタルな雰囲気のアレンジで『横笛物語』『秘桜』、カバー曲からチューリップの『サボテンの花』、「歌絵巻〝演歌万華鏡〟」と題して、オリジナル曲『国定忠治』『千姫」『ちりぬるを』(新曲)、それに新曲のカップリング曲『こんな夜にはワルツでも』など全20曲を熱唱し、最後まで客席の目をステージに釘付けにした。

この後、11月28日と29日の2日間、台湾を訪れ、台北市で開催の「日本祭2026」のイベントに出演することを発表。6月27日に東京・中野で行われた「台湾文化祭2026」に出演したのが縁で実現することになったもので、「いつか台湾に行って生で歌を届けたいという夢が叶えられるので、台湾の方々に日本の演歌・歌謡曲を私の生の歌でお届けできるのが楽しみです」と話していた。


■新曲『ちりぬるを』
作詞/松井五郎 作曲/幸耕平 編曲/佐藤和豊
5月13日発売
キングレコード
【TYPE-A】KIZM-843/4

CD+DVD
¥2,500(税込み)
フォトカード全3種のうち1枚ランダムで封入(初回製造分のみ)
C/W『こんな夜にはワルツでも』
作詞/松井五郎 作曲/幸耕平 編曲/佐藤和豊
DVD=『ちりぬるを』ミュージックビデオ、同メイキング映像
【TYPE-B】KICM-31195

CD ONLY
¥1,700(税込み)
配信
■市川由紀乃プロフィール

本名/松村真利
出身地/埼玉県さいたま市出身
身長/170.5㎝
1976年1月8日生まれ、埼玉県出身の演歌歌手。脳性麻痺の障害がある兄とともに母の女手ひとつで育てられる。16歳のときに埼玉新聞社主催のカラオケ大会で優勝。プロダクションのスカウトを受ける。1993年8月、17歳でシングル『おんなの祭り』をテイチクエンタテインメントから発表しデビュー。
1994年に「第26回新宿音楽祭」新人賞、「第13回メガロポリス歌謡祭」新人賞、1996年に「第6回NHK新人歌謡コンテスト」優秀賞を受賞する。1998年にキングレコードに移籍し、シングル『一度でいいから』を発表。燃え尽き症候群により2002年4月に歌手活動を休止し、天ぷら専門店「新宿つな八」でアルバイトをする。
2006年10月に復帰し、10年後の2016年から2年連続で「NHK紅白歌合戦」に出場を果たす。2019年には「日本レコード大賞」最優秀歌唱賞、2023年『花わずらい』が優秀作品賞を受賞。吉本新喜劇にゲスト出演するなど活躍の幅を広げていたが、2024年6月、卵巣がんの治療に専念するため活動休止を発表。2025年発売のシングル『朧』で復帰を果たし、オリコン週間演歌・歌謡ランキング初登場第1位を獲得。「第58回日本作詩大賞」で『朧』が審査員特別賞(作詞/松井五郎)、「第67回日本レコード大賞」では編曲賞(編曲/佐藤和豊)、また、令和7年度「藤田まさと賞」を受賞するなど、各所から高評価を得ている。
