2024年11月21日
今年も12月8日が過ぎて行きました。
ジョン・レノンのソロ・アルバムはどれも素晴らしく、どれが最高傑作かという議論に答えを出すのは困難です。
が、どの曲が一番好きかという問いなら、誰でも簡単に答えられるでしょう。私の場合は『ミルク・アンド・ハニー』収録の『ユア・ハンズ』です。
これはジョンではなくオノ・ヨーコの曲です。日本語で唄われています。短く簡潔な旋律と、最小限の言葉で綴られています。
これほど端的に正確に、人生の美と哀を描くことが出来ている音楽を、私は他に知りません。
1980年のあの日、世界中の数えきれないほど多くの人々が”自分こそが世界で一番悲しんでいる”と感じたことでしょう。
世界で一番悲しみ苦しんだ人は誰だったのか、あの日が来るまで一番幸せだったのは誰なのか、この曲を聴けば分かるような気がします。
ちなみにこの絵は、藤原浩さんの現場に取材に行った時、田山ひろしさんから頂いたペンで描いたものです。読者プレゼント用にサインを貰わなくちゃいけないのに、ペンを忘れましてね。
取材が済んでから、お礼を言ってお返ししようとしたら、笑って「差し上げますよ」と田山さん。
みんなが優しかった一日でした。誰もがいつかは死んじゃうのなら、せめて生きてる間くらい、仲良くしとかんといかんですね。
昔観た文学座の芝居で、角野卓造さんがそうおっしゃってました。赤木春恵さんのお葬式のニュースを観て思い出したんですがね。二十代の頃は、新劇が大好きだったんですよ。
(高村)