歌の手帖9月号には、
6月23日、東京・練馬文化センターにて行われた、
山内惠介さんの
惠音楽部(ファンクラブ)限定、惠音楽会
~山内惠介meetsシャンソンティックな歌たち~
のステージをカラー3ページで掲載しています。
そしてここでは、
そこで書き切れなかったことを
未使用写真と共にお送りします。

派手なツアーとは正反対の
クールでシンプルでモノトーンなステージが
まず新鮮でした。
真っ暗な中、
バックからライトを照らして、
ボレロのコード進行で、
『そして今は』(ジルベール・ベコー)
をクールに唄うオープニングが、
今日のステージは歌をしっかり聴いてもらいます…
と告げているようで、素直に、かっこよかった。
衣裳も通常のツアーとは異なり、
このシャンソンコンサート用に作っただろう
バーバリーチェックのスーツが
クラシカルで、ダンディーで、
今の惠ちゃんに似合ってました。

個人的にシャンソンって、
そんなに聴いた経験もなかったので、
ちょっとした不安もありました。
コンサートで数曲唄うシャンソンなら
感動することもありましたけど、
惠ちゃんが、シャンソンだけのコンサートをする、
と聴いた時、
人生を唄うシャンソンを2時間聴くのは、
重たいんじゃないだろうか…という不安があったんです。
でも、その不安も
この1曲目で解消されました。
この1曲目で、山内惠介のシャンソンを
もっと聴きたい!と思えたからです。
越路吹雪さんで有名な『サン・トワ・マミー』、
シャルル・アズナヴールの『ラ・ヴォエーム』、
そして惠ちゃんのオリジナルを
シャンソン風にアレンジした
『冬枯れのヴィオラ』『夢の果て』など、
山内惠介という熱い魂のフィルターを通して、
放射されるシャンソンは、
聴くものの心にも火を点けてくれるようでした。

そう、山内惠介のシャンソンは熱唱系なんです。
あれ、シャンソンって、
こんな熱唱するものだっけ?と思うくらい、
ソウルフルなシャンソン。
でも、それで良いと思います。
シャンソンだからこんな感じ、
演歌だからこうでなければいけない、
ロックだからこうであるべき、
という固定観念が、
音楽をつまらなくさせるのかもしれない。
すべて、その歌手の持っている
魅力的な個性で、自由に料理するのが正しいんだと思う。
山内惠介くんのシャンソンを聴いて、
山内惠介くんのシャンソンに惹き込まれながら、
そう思いました。

このヨーロピアンな衣裳も
シャンソンを唄う今の惠ちゃんにぴったり。
シャンソンではありませんが、
シャンソンのシンガーでもある
美輪明宏さんの『ヨイトマケの唄』を
久しぶりにこの日、惠ちゃんが唄ってくれました。
実はこの歌、
もう10年以上前になるかな、
僕は惠ちゃんのカバーで初めて聴いて、
感動したんです。
この歌、いつ聴いても
ホント、泣けちゃうんですよね。
私事になりますが自分は母子家庭で、
子供の頃、
母親が頑張って働いてくれたこともあって、
どこか重なる部分があって…。
この日、惠ちゃんが
熱唱する『ヨイトマケの唄』を聴きながら、
カメラでこの写真を撮っていたんですけど、
震えるくらい感動して、
カメラを撮るのが大変でした(笑)。
このステージの後日、
美輪明宏さんが亡くなったことが
ニュースになりました。
美輪明宏さんのご冥福をお祈りいたします。

アンコールは
力強い意思表明で『この世は祭り』を唄い上げて、
その熱波の後には、
なるようになるさ…と軽快な深みで
クールダウンするように
『ケ・サラ』(ホセ・フェリシアーノ)。
この2曲がとても良い並びで、
なんだかそこに人生を感じて、心に沁みました。
ドラム、ベース、キーボード、ピアノという
小編成のバンドも、すごくキレある素敵な演奏で
惠ちゃんの歌を支えてくださいました。
なお、ビクターさんによると、
山内惠介さんのシャンソンコンサート、
大好評だったらしく、
ファンの方から「またやってほしい」
という声が多かったそうです。
もちろん、僕もまた観たいステージでした。
村田