もう1ヶ月近く前の話になりますが、
2021年8月8日に行われた
東京オリンピックの閉会式に
古関裕而先生の
『オリンピック・マーチ』
が使用されたんですね。
(開会式の出来にがっかりして、
閉会式は見なかったので…)
『オリンピック・マーチ』は、
1964(昭和39)年の
東京オリンピックの開会式のために
古関裕而先生が作られて、
入場行進曲として使用された名作ですが、
57年の時を経て、
また東京オリンピックで
(しかも国立競技場で)
演奏されるって、
とっても素敵な話だな、と。
昨年、
古関裕而先生がモデルだった
NHKの連続テレビ小説
「エール」が大人気だったこともあり、
本誌2020年9月号で
古関先生の
巻末楽譜特集をしましたが、
それがとても好評でした。
歌の手帖 2020年9月号 | 歌の手帖,2020 | 歌の手帖社 utate online
古関裕而先生といえば
『イヨマンテの夜』
『君の名は』
『高原列車は行く』
などの名曲や、
夏の甲子園で
お馴染みの
『栄冠は君に輝く』、
読売巨人軍の
『闘魂こめて』、
阪神タイガースの
『六甲おろし』
などを作った大先生。
クラシックから音楽の道に
入った先生なので、
メロディーが誠実で清らかで、
威厳があり、
だけど素朴な人肌の温かさがあるんですよね。
『あなたが選んだ
古関メロディー ベスト30』
(COCP-41121-2)
このアルバムに
古関裕而先生の手掛けた
数々のヒット曲をはじめ、
『オリンピック・マーチ』や
『栄冠は君に輝く』
なども収録されています。
オリンピックと言えば、
歌の手帖10月号
の巻末楽譜特集は、
前回の東京オリンピックが行われた
1964年(昭和39年)にヒットした
東京の歌を特集しています。
同特集に寄稿してくださった
合田道人先生によると、
東京オリンピックが
行われた昭和39年は、
東京が盛り上がっていたことで、
東京を舞台にした歌が
数多く発売されたそうなんです。
なるほどねぇ。
ところで
東京のうたセレクションで、
『東京五輪音頭』や
『あゝ上野駅』
『ウナ・セラ・ディ東京』
などと並んで
『アンコ椿は恋の花』が
あるのは、
あれ?と思いませんでした??
『アンコ椿は恋の花』
の舞台は伊豆七島の伊豆大島。
そう、大島は東京に
属しているんですよね。
なるほどねぇ。
高度成長期真っ只中の
昭和39年頃って
歴史的に見ると
新幹線の開業など
近代的なインフラの整備が行われ、
日本が一番大きく変わった時期。
その当時の日本の活気が
今回の巻末の歌からも
聞こえてくるようです。
コロナ禍の辛い時期ですが、
高度成長期の日本人のように、
上を向いていたいですね。
歌の手帖 2021年10月号 | 歌の手帖,2021 | 歌の手帖社 utate online