歌の手帖3月号の巻末楽譜特集は
「魅惑のカップリング曲Ⅹ」です。
今回は読者の皆さまからの
はがきリクエストが多かった曲を中心に
10曲の人気カップリング曲を選ばせていただきました。
今回、好きな歌が多かったので、
掲載順に個人的な感想を書かせていただきます。

東京力車『俺らしく…』
追走盤C収録曲『人は花』。
歌唱は東京力車の田井裕一さん。
田井さんの書いた詞は、
昨年6月に亡くなられた大好きな祖父への想いから、
出会いと別れをテーマに書かれたそう。
その歌詞がとても良いんです。
やっぱり歌って、
心からそれを伝えたい…と思うことが
あってこそ生まれたものが、響くんです。
「唄う」の語源は「訴える」から、
とも言われていますしね。
田井さんの純真な歌声も素敵です。

竹島宏さん『小夜啼鳥の片思い』
Cタイプ収録曲『薔薇のしずく』。
今回一番リクエストが多かった作品です。
ランバダ調を取り入れたリズム歌謡で、
そのラテン系リズムに合わせるかのような
松井五郎先生のセクシーな歌詞が秀逸ですね。
さすが、松井先生と言えるフレーズが
曲の中で踊っています。
そして、セクシーな歌詞を
ラテン系のリズムで竹島くんが唄っても、
上品で優雅なんですよね。

山西アカリさんの『瑞穂の国』
憲ジョージ盤収録曲『道しるべ』。
この歌好きなんですよ。
作詞作曲の所ジョージさんって、
元々はフォークシンガー的な方で、
昔は吉田拓郎さんみたいなメロディーを
書かれていましたね。
この『道しるべ』は
その時代に近いコード進行のフォーク的メロディー。
それを演歌的なアレンジで飾ったような、
不思議な魅力が光る逸品です。
すごい低い音があったり、
ラストは転調したり…
そのワチャワチャした感じも良いです。

山内惠介さんの『北の断崖(きりぎし)』
闇盤収録曲『闇にご用心』。
山内くんの高校の先輩である、
椎名林檎さんによる作品です。
音節の切り方が独特な、
林檎さんらしい歌ですよね。
都都逸とオルタナティブロックを融合した感じで、
嵐の海のサーフィンのように、
メロディをリズムに乗せていくのが
とても難しそうなこの作品。
でもキッチリとメロディーをライドオンさせて、
演歌的に唄える山内さんが素晴らしい。

山内惠介さんの『北の断崖(きりぎし)』
北海道盤収録曲『大雪山』。
いかにも
師匠の水森英夫先生らしいメロディー。
それゆえに、山内くんの歌唱も
安心感あるダイナミズムで
メロディーを雄大に描いてくれました。

三丘翔太さん『華のひと』の
カップリング収録『たった二年と二ヶ月で』。
言わずと知れた、
師匠・水森英夫先生の歌手時代の作品。
水森門下生の歌手の方々なら、
絶対に唄っている作品でもあります。
作詞はあの阿久悠先生、
作曲は水森氏による名曲です。
本誌の楽譜掲載は今回が初。
同曲は1971年に三音(みね)たかおの芸名で
キャニオンレコードより発売され、
1976年には水森英夫に改名して、
テイチクから再発売したそう。
今回、三丘くんのカップリングに収録された
演奏音源は、テイチク盤のオリジナル音源です。
70年代らしい演奏の音がしびれます。

丘みどりさん『夜香蘭(ひやしんす)』
花道盤収録の『千年の花』。
すぎもとまさと先生の『夜香蘭』は
個人的に大好きな歌ですが、
丘みどりさんらしさで言うと
『千年の花』ですね。
カラオケ大会などでは目立つ作品かも。

岩本公水さんの『さだめ船』のカップリング
収録『仁淀川(によどがわ)』。
作詞作曲は岩本公水さん。
音域も広いですし、
16分音符のフレーズもあって、
なかなかの難曲だと思いますが、
それだけに唄い甲斐ありそうな演歌。
演歌好きなら、ぜひ挑戦してほしいです。

純烈さんの『二人だけの秘密』Aタイプの
カップリング収録『汚れなき人よ』。
歌は白川裕二郎さん。
石原裕次郎さんのようなムード歌謡を、
白川さんに重ね合わせたような作品。
売野雅勇先生の歌詞と、
白川さんの甘く切ない歌声で、
母性本能をくすぐりまくる
ムード歌謡と言って良いでしょう。

最後は真田ナオキさんの『Nina』
ブルーストライブ盤収録『羽根を下さい』。
ファンの方ならよく御存知の作品ですね。
吉幾三師匠から「唄い継いでほしい」と
言われて、真田くんが唄い続けている
メッセージソング的歌謡曲。
やはりね、歌は伝えるものがあってこそ、
だと思うんですよね。
聴いていると心の底から悲しくなって、
沈み込むように切なくなりますが、
だからこそ目覚めさせてくれる力や意識が
そこから誕生すると思うんですよ。
歌の力を感じさせてくれる名曲でしょう。
というワケで長くなりましたが、
3月号の巻末楽譜特集を、
宜しくお願い致します。
村田