9月号、追悼・門倉有希さんの作品

歌の手帖9月号には、

6月6日に逝去された

門倉有希さんを偲んでの、

巻末楽譜特集を掲載しております。

楽譜を掲載したのは

『鷗…カモメ』

『どん底』

『女の漁歌』

『北の駅』

『ノラ』

『哀愁エリア』

『カトレア』

『ひまわり』

の8曲です。

デビュー曲『鷗…カモメ』。

20歳でこれほどブルージーに唄える

歌手の登場に、衝撃を受けました。

もう、この時に門倉有希さんの個性は

完成していたんです。

歌は年齢じゃないなぁ…と。

 

今回、門倉有希さんの

メモリアルな8曲を選ぶ時に、

売れた作品、

カラオケで人気ある歌、

という基準で選ばせていただきましたが、

自分的には「この歌も入れたい!」と

悩んだ曲がいくつかありました。

 

そのトップが『穢れなき瞳』。

この歌、自分はすごく好きなんです。

いくら打ちのめされても、その痛みのぶんだけ

唄うために生きようとする

純真さゆえの揺らぎない想い…。

個人的には、

門倉さんらしさが輝いた歌だなぁ、と思います。

 

簡単に例えると

長渕剛さんや中島みゆきさんの

フォーク時代の作品の感じを、

ブルージーな歌謡テイストで

仕上げたような歌です。

 

心がダウンした時ほど、

暗い歌が聴きたくなりませんか?

マイナスにマイナスを掛けると

プラスになる効果。

悲しい時には、明るい応援歌より

悲しい歌を聴いた方がパワーになると言うか、

助けられると言いますか。

門倉有希さんの歌にはそういうものがあって、

『穢れなき瞳』は、

まさに自分にとってそういう歌です。

この『幕間-まくあい-』もそうです。

この歌も

悲しい時ほど寄り添ってくれそうな作品。

愛すれば愛するほど孤独になっていく…

そんな悲痛な叫びを純真な低重心で唄う

門倉さんの生命力ある歌唱が沁みまくります。

 

この2曲、

今回は楽譜を掲載できませんでしたが、

個人的には

門倉有希さんのベスト2作品です。

 

なお9月号巻末楽譜特集には、

自分で撮影した

門倉有希さんの過去の記事も入れました。

これは僕が歌の手帖に入って、

最初に門倉有希さんの取材をした時、

2001年10月号のグラビア記事。

撮影も自分がして、

お台場で撮ったんですよね。

彼女の笑顔が、とても好きな写真です。

 

僕は歌の手帖に入る前から、

門倉有希さんを何度も取材してきたので、

外で撮影すれば、

自然な表情になるかな…と思ったんです。

その想いが偶然ながら

上手く写しこめた1枚だったな、と。

これも自分で撮影。

2005年8月号のグラビアです。

ライブシンガーとしての

門倉有希さんの雰囲気を

誌面で出したくて、

マイクスタンドを使って撮影しました。

これも自分が撮影した

2007年5月号の記事。

このあどけない感じが、

素顔の門倉有希さんかな、と。

 

門倉有希さんは、

日本の歌謡史に刻まれるべき

素晴らしい歌声を持った

歌手だったと思います。

ぜひ今回の特集をきっかけに、

改めて皆さまにも、

門倉有希さんの歌を聴いてもらい、

カラオケで唄ってほしいと思います。

 

また、彼女の歌を、

誰かプロ歌手の方に

カヴァーしてほしいな、とも思います。

 

そして門倉有希さんの歌魂が

この世界でずっと

響いていくことを願っています。

R.I.P

 

村田

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