現在発売中の
歌の手帖12月号の
巻末楽譜特集は
作曲家いずみたく先生の
スタンダードヒット集です。
▲『いずみたくソングブック
ー見上げてごらん夜の星をー』
5CD+1DVD(全131曲収録)
VIZL-2058 ¥15,400(税込み)
ビクターエンタテインメント
いずみたく先生が手掛けた
数多くの大ヒット曲から、
上のBOXセットにも
収録されている
①見上げてごらん夜の星を(坂本九)
②夜明けのうた(岸洋子)
③女ひとり(デューク・エイセス)
④世界は二人のために(佐良直美)
⑤恋の季節(ピンキーとキラーズ)
⑥夜明けのスキャット(由紀さおり)
⑦いいじゃないの幸せならば(佐良直美)
⑧希望(岸洋子)
という8曲の楽譜を掲載しています。
ただし厳密に言うと
BOXセットの『希望』は、
一番最初にレコード化された
フォー・セインツのバージョンを収録。
でも、これは個人的に
岸洋子さんの『希望』を
楽譜にしたかったんです。
まぁ、岸さんの方がヒットした、
というのもあるんですけど、
12月号の編集後記でも書いたように、
僕が子供の頃(幼稚園くらい?)、
母親がこの歌(岸さんバージョン)を
なぜか楽しそうに、よく口ずさんでいて、
その影響で僕も
この歌が好きになったんです。
子供の頃でしたから、
当時は歌詞の意味も全然わからなくて、
「お母さんは、
なんであんな暗い歌を
楽しそうに
口ずさんでいるのかなぁ…」
と不思議でしたが、
でもその暗さに、
大人の世界を感じ、
子供ながらに惹かれていったんです。
僕はフォー・セインツの『希望』を
聴いたことがなかったんですけど、
今回、このBOXセットで聴いてみると、
岸洋子バージョンとは
歌詞が一部異なるんですよ。
そこには色々と理由があると思うんですが、
残念ながら
調べても分かりませんでした。
分かる方いらっしゃいます?
▲『ビクター・トレジャー・アーカイヴス
いずみたくビクター・イヤーズ』
CD:VICL-65754~5 ¥3,520(税込み)
ビクターエンタテインメント
なお、今回の巻末楽譜特集には
掲載できませんでしたが、
いずみたく先生が作った
『太陽がくれた季節』(青い三角定規)
『帰らざる日のために』(いずみたくシンガーズ)
も好きで、
この2曲を聴くと、
小学校の頃、
夕方のテレビで再放送していた
学園ドラマのシリーズを
色濃く思い出します。
歌詞が意外と哲学的で
すごく心に残る歌なんですよね。
あと、いずみたく先生はCMソングも
数多く手掛けていて
明治マーブルチョコとか、
佐久間のキャンロップとか、
関東の人ならお馴染みの「ハトヤの唄」とか。
50代以上なら、
誰もが口ずさめるCMソングですよね。
また、
アニメの『ゲゲゲの鬼太郎』の歌もそうだし、
今でも流れている
『徹子の部屋のテーマ』もそうです。
すごいですよねぇ。
どれも
シンプルなんだけど、
骨太で美しいメロディーというか。
そして、それぞれの歌は、
時代を映す鏡のように
普遍的な輝きで響いてくれるんです。
今年はいずみたく先生の没後30年。
先生の手掛けた歌は、
いつまでも私達に
希望という夜明けの星を
届けてくれるように思います。
村田
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