2024年10月4日
もず唱平先生にお会いできたのは大きな喜びでありました。と申しますのも…
昭和47年の夏のある日、私は母から『ゴジラのお嫁さん』というレコードを買い与えられました。
ゴジラが大好きだった私ですが、この歌はというと怪獣王であるはずのゴジラが
「ボクはこの通りデッかくて見た目もおっかない怪獣だけど、ホントは優しいんだよ」
「悪い宇宙怪獣は、みんなボクがやっつけてあげるよ」
「ジャングルだって南極だって、世界中どこだってスグ連れてってあげるよ」
…「だからボクのお嫁さんになっておくれ」
と切々とうったえる求愛歌だったのです。
当時は「怪獣王ともあろうものが、なんと情けない」などと思いましたが、今思うと不器用で武骨な男の心情を比喩した歌のようで、実に味わい深いのですよ。
この『ゴジラのお嫁さん』の作詞が他ならぬもず唱平先生。
ちなみに作曲は『想い出の渚』(ワイルド・ワンズ)の加瀬邦彦先生、ボーカルは『およげ! たいやきくん』の子門真人!
つまりもず先生は私にとって、歌謡詞の原点なのです。
機会があったら一辺聴いてみてくださいよ。
実にいい曲ですから。
イントロがメンデルスゾーンのパロディなのも洒落てますよ!
もず先生と三門忠司さんのインタビューは1月号に掲載。お楽しみに!
(髙村)
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