ピアニストのこだわり

皆さんお元気ですか。

弦楽器や管楽器奏者は自分の楽器を持って歩きますが、ピアニストはそれが出来ません。

だから「そこにある楽器」で上手くやるすべを自然と身に着けるそうです。

と言うより、それが出来なきゃプロにはなれません。

山下洋輔さんなんかは、これを「出逢い」と称して楽しんでいる、と昔からよく発言しておられました。

あるいは楽しめるようでないとやってけない、と言いますか。

昨日はスタインウエェイ、今日はベーゼンドルファー。

明日はボロボロで調律も狂ったアプライト。

それはそれで面白い、という話。

さて、ある演歌界の大御所作曲家の先生はと言いますと、ある楽器個体に非常に思い入れをお持ちで、今回世に出るソロ・アルバムでは、わざわざスタジオにこの楽器を運んでレコーディングをしたそうです。

「腰が痛くなったよ」なんておっしゃってましたが、先生自分で運んだんですか。

次からはどうぞお呼びつけくださいよ。そんな力仕事わたしがやりますって。

ハンブルグとニューヨークの両方に拠点があるスタインウエェイ、オーストリアのベーゼンドルファー、ドイツのベヒシュタインの3社を「世界の3大ピアノ」と言うそうです。日本のヤマハも人気、実力とも高く、決して会社の大きさ、市場での強さだけではない評価があります。カワイは知名度はヤマハにはかないませんが、ジャズの小曽根真、ロックのYoshiki、クラシックなら若手のリ・ユンディらが愛用していて、やはり高評価を得ています。

さて先生のこのピアノはローランドの電子ピアノですが、このテの製品はリアルなピアノ・サウンドの他にも、オルガンやらストリングスやら色んな音色が出せるのが相場です。先生もこの楽器のあるプリセット音がお気に入りなのだそうです。先生のソロ・アルバムでその音色が聴けます。

写真はそのピアノを弾く、先生の手元です。誰だか分かるかな…ここまで書きゃ、分かっちゃうかな。詳細は11月21日発売の1月号をお楽しみに!

(髙村)

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