北島兄弟と東京と智恵子抄

高村光太郎さんの

小説「智恵子抄」の

有名な書き出し

「智恵子は東京に空がない、という」。

東京出身の僕には、

若い頃

その文章が

ピンときませんでした。

東京には空がない?って。

どういう比喩なの?と。

でも、

大人になって、

色々な場所に旅行に行くと、

その言葉が分かるようになってきました。

自然豊かな

平野部の地域で見上げる空は、

空が高く、広いんですよね。

特に沖縄や北海道は、

東京とは違う、

空の高さと広さを痛感します。

それは、

高い建物がないとか、

空気が澄んでいるから、

と色々な理由が

考えられますが、

科学的には、これって、

気圧が関係しているらしいですね。

東京出身と言っても

郊外育ちの僕ですが、

それでもやっぱり

違うんですよ。

ちょっと地方に行くだけで、

地元の空とは違う

大きさを感じます。

あ~っ、これが

本当の空だよな、

と。

そんなことを、

11月号に掲載した

北島兄弟の

インタビューしながら、

思っていました。

いうまでもなく、

北島兄弟は、

北島三郎御大を

師匠に持つ、

北山たけしさんと

大江裕さんのユニット。

そんな北島兄弟の

第3弾となる

新曲が『東京』。

それでお2人と

東京についての

お話をしていたら、

「智恵子抄」の

ことを思い出したんです。

なお北島兄弟の

『東京』は、

北山たけしさんの

新曲『龍神海峡』追撃盤と、

大江裕さんの

新曲『泥んこ大将』追撃盤、

それぞれに収録されています。

小田純平さんの作品で、

カラオケでは1人でも唄えそうな曲ですね。

この歌の楽譜は

10月21日発売の

12月号に掲載します。

ちなみに北山さんは福岡出身、

大江さんは大阪出身。

そして『東京』は、

地方出身の方が

夢を持って

東京にやってきて、

頑張ってきた思いを

語る歌。

まさに2人の歌なんです。

なお『東京』って

タイトルの歌は

軽く調べると

50~60曲くらいあるんですよね。

演歌ファンの方々には、

やしきたかじんさんの

『東京』が馴染み深いかな。

『東京キッド』

『東京ブルース』

『東京だョおっ母さん』

『東京砂漠』

『東京ララバイ』

『俺ら東京さ行ぐだ』など

タイトルの一部に

“東京”ってタイトルがついている

歌や、

沢田研二さんの

『TOKIO』とかの

英字表記も含めると

もう数限りなく、

途方もなくあります。

市区町村を入れたら、

大阪かもしれないですが。

都道府県の

ご当地ソングの

ナンバー1は

意外と東京なのかな?

あなたの好きな

東京ソングは?

村田

歌の手帖 2020年11月号 | 歌の手帖,2020 | 歌の手帖社 utate online

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