2024年10月4日
皆さま平素のご愛読まことにありがとうございます。
昨日は、都内のホテルで作曲家・中村典正先生の「お別れの会」があり、取材に行きました。
丁度小誌でも譜面の特選を4曲、「歌の市」の中で掲載させてもらったところでした。
三山ひろし君という人は、若さに似合わず老成したような物腰を見せることがある人で、ステージでMCやらせると本業の司会者顔負けに弁舌さわやかな、なめらかな語りを聞かせてくれる人です。
この日はそんな彼のスマートな如才なさがすっかり影をひそめていたのが痛々しく、改めてお悔やみ申し上げたいところであります。
我々の仕事も、中村先生のような方のお仕事があってこそ成り立つもの。
心からご冥福をお祈り申し上げます。
若き日の北島御大の名演がさえる『仁義』、不屈の演歌魂を見せつつも、現在の中村家を予言したような幸福感に満ちた『祝いしぐれ』、大泉さんの『孫』とならぶ平成演歌の金字塔『こころ酒』、そして令和演歌への期待と夢をせおった『人恋酒場』。
どれも“演歌かくあるべし”という風格に満ちた名曲です。僭越ながら、ご堪能いただきたく存じます。
(高村)
歌の手帖 2019年12月号 | 歌の手帖,2019 | 歌の手帖社 utate online