歌の手帖11月号の
巻末楽譜特集は、
美川憲一さんの
ヒット曲集です。
美川さんと言えば、
そのユニークな
キャラクターから、
どうしても世間的には
芸能界のご意見番というか、
タレント的イメージが強いんですが、
当然ながら
歌手・美川憲一は
とても魅力的な存在。
今回の巻末楽譜特集にも
掲載しましたが、
大ヒット曲『柳ヶ瀬ブルース』
をはじめとする、
『新潟ブルース』などの
初期のご当地ソング系
ブルースものは、
美川さんならではの
クールな湿度感が
心を
ドライのカクテル
のように濡らしてくれます。
そうそう、
「ご当地ソング」
という言い方は
『柳ヶ瀬ブルース』から
生まれたんですよね。
ちなみに
ご当地ソングの後輩である
水森かおりさんが
『釧路湿原』の時に、
「美川先輩の
釧路にある『釧路の夜』の
歌碑、立派で憧れます。
私もヒットさせて、
歌碑を建立してもらえるように
頑張ります!」
と美川さんに
なにげなく言ったら、
「あら、そうなの?
私が釧路の市長さんに
お願いしてあげるから、
あんたも
作ってもらいなさいよ」
という流れがあって
(もちろん、
それだけじゃないとは
思いますが)、
『釧路湿原』で歌碑が
建立されたとか。
美川さん
後輩思いなんですよ。
美川さんを慕う
後輩歌手はとても多いです。
さて、
話題を戻して、
『おんなの朝』は
あの美空ひばりさんも
欲しがったという名曲。
これ良いですよね。
歌詞の内容が
かなり際どいのに
(だから当時、
NHKでは唄えなかったとか)
メジャー調のメロを
美川さんがクールな
気怠さで淡々と
唄っているのが、
すごく魅力的。
今回、
楽譜を掲載できなかったですが
『お金をちょうだい』
『三面記事の女』
なども昭和ならではの
ウィット感が素敵ですよ。
もう今のコンプラまみれの
世の中では
作れない作品でしょう。
11月号の巻末の
インタビューもぜひ読んでいただきたい。
美川さん、
特にデビュー前は
かなりご苦労されているんですが、
そんな風に思わせないところも
とても好感がもてます。
なお美川さんは今日(4日)から
6日まで、
東京・よみうり大手町ホールにて、
「ドラマチックシャンソン2019」
を開催します。
村田
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