2024年10月4日
歌の手帖3月号の
ピンナップに
ご登場いただいた
田川寿美さん。
3月号の巻頭インタビューで
島津亜矢さんが、
「寿美さんの綺麗なファルセットが
羨ましかった」と
おっしゃっているのですが、
考えてみると、
島津亜矢さんと
田川寿美さんは、
高度な歌唱力を持った
方々ですが、
歌手としては
全然タイプが異なりますね。
実は昨年の11月17日、
東京・浅草公会堂で行われた
田川寿美さんのコンサートで、
寿美さんは
MISIAの『Everything』を
カバーしてくれました。
そして現在、
福岡・博多座で
行われている
島津亜矢さんの特別公演でも、
亜矢さんが
偶然
MISIAの『Everything』
をカバーしているんです。
お2人の『Everything』
を聴くと、
それぞれの歌手としての個性や、
理想としている歌唱の違いが
明確に出ていて興味深かったです。
同じ唄い上げる作品でも、
寿美さんの歌唱は
繊細なタッチで、
和紙にインクをにじませる感じで、
はんなりと歌世界を
大きく広げてくれました。
そして亜矢さんは
持ち前の歌力を活かして、
ガツンと歌世界を加速させ、
濃密な絵具で
空高く歌を描くように
歌唱する感じ、と言いますか。
単純に言えば、
柔で淡色の寿美さんと、
剛で濃色の亜矢さん、
という感じでしょうか?
率直に2人とも、
天才的に
歌がうまいんですが、
そのうまさの性質は、
まったく異なるんです。
でも、そんなお2人に、
表紙とピンナップを飾っていただき、
音楽専門誌としては
光栄だな、と。
さて、
田川寿美さんの
新曲『恋はひといろ』。
タイトルは「一色(ひといろ)」でも、
寿美さんの歌世界、
その色彩は多色です。
村田
歌の手帖 2019年3月号 | 歌の手帖,2019 | 歌の手帖社 utate online