正義

カブトライジャー・白川裕二郎は歌唱人間である。ムード歌謡の正義を守るため、カブトライジャー白川は闘うのだ。

そう、例えば…藤岡弘さんと宮内洋さんが同じステージに立っていたら…黒部進さんや森次晃嗣さん、団時朗さんがグループを結成したというニュースが入ってきたら…。我々昭和40年代世代だったら、ほう、そうか…では決して済まない。聴きに行こう、生のステージを観に行こう、いや、全身全霊で応援しよう…と思うはずだ。

なぜなら彼らはヒーローであり、人生の基本を教えてくれた師であり、心の中に住み続けている友であるからだ。

人生の基本、それは「愛」「正義」「友情」。宮内洋氏は言った。「特撮ヒーロー番組は教育番組に他ならない」。

苦難に直面した時、人としての道義を忘れそうになった時、大人の社会の理屈に自我を潰されそうになった時、我々は思い出すだろう。ハヤタが、ダンが、猛が、隼人が体を張って伝え続けた「正義」を。彼らの姿を思い出し、悪の誘惑に一瞬でも負けそうになった自身を恥じることだろう。

10月5日、東京ドームシティのラクーアガーデンステージ。純烈のイベントに、多くの女性ファンと共に、多くの特撮ファンと思しき男たちが集まった。彼らのことを「いい年して特撮か」と笑うのは容易い。しかし思い出してほしい。あなたも、私も、あの幼き日、ヒーロー達の姿に胸を熱くし、正義のために生きよう、大人になったら正しく生きようと、心に誓った日があったはずなのだ。

働き盛りの男たちには、純烈の情報はまださほど浸透していないのだろう。彼らが、純烈が何者なのかを知ったら、きっとその歌にも心を奪われるに違いない。正義のために闘った男たちにとって、歌やコーラス、ダンスは格闘やカーアクションと同じ、真実を伝えるための技であり、武器なのだという事実を、すぐに理解するに違いない。

純烈の全盛期はこれからやってくるだろう。

何故なら、男たちにとって最も強力な真実、それは一つだからだ。

「正義は勝つ」!

(高村)

歌の手帖 2018年11月号 | 歌の手帖,2018 | 歌の手帖社 utate online

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