先週の日曜日の
9月3日、
「歌手生活30周年
藤あや子特別公演」
の初日を取材するため、
東京・明治座へ行ってきました。
これまで明治座さんでは、
坂本冬美さんや、
伍代夏子さんとの
ダブル座長公演はあった
藤あや子さんですが、
意外なことに、
藤さんソロでの、
東京・明治座での座長公演は
初めてなんです。
そうそう、
藤あや子さん、
以前の東京での
ソロ座長公演は、
今はなき新宿コマ劇場
でしたよね。
久しぶりの単独座長公演、
というのも含めて、
見どころの多い舞台ですよ。
相当、気合いが入ってますから。
さて、
第一部のお芝居は
「明治一代女」。
特別出演で三山ひろしくんが、
藤さん演じるお梅さんの弟役で
出演されています。
けっこう重要な役なんですよ。
詳しくは歌の手帖12月号で
書かせていただきますが、
藤さん演じるお梅さんの、
女の愛とプライドが、
痛ましい悲劇へと
つながっていく物語に
ぐんぐんと
引き込まれました。
個人的には、
松村雄基さんが、
素晴らしい汚れ役を
演じていて、
役者だなぁ…
と感動しました。
なお2部の歌謡ショー
「艶やかな歌つづり」にも
三山ひろしくんが
ガッツリと登場。
藤さんとのデュエットも披露。
また、ショーゲストで、
この日は椎名佐知子さんが登場。
以降、
その日によって違うのですが、
丘みどりさん、
羽川みずきさん、
杜このみさんが
ショーゲストで登場
してくれるそうです。
もちろん肝心の
藤あや子さんの
ステージがすごいのなんのって。
とにかく、まぁ、
すんごいんですよ。
これ以上はネタバレになって、
言えませんから、
ぜひ明治座さんへ観に行ってください。
9月30日まで行われています。
ちなみに、
30周年を記念して発売された
藤あや子さんのカバーアルバム
『GENTLEMAN~私の中の男たち~』。
これは、
藤あや子さんが大好きな
男性アーティストの名曲を、
新たな解釈のアレンジを施して
カバーしたアルバム。
明治座、第2部の歌謡ショーでも、
ここから1曲披露してくれました。
選曲がね、
本当に藤さんらしい。
普通、演歌歌手の方が、
こういうカバーアルバム出す場合、
ポップスでも
演歌を聴く層がわかるような
お約束の定番曲を
何曲か選曲するイメージが
あるんですけど、
良い意味で
そういう、おもねることを
を感じない選曲。
本当に藤さんが
好きな作品だけに
絞ったような潔い選曲です。
象徴的なのは、
英語で唄った
エアロスミスの『Angel』。
これがすごく良い。
藤さん、
この歌が大好きだそうです。
どのくらい好きかは、
歌の手帖10月号に
掲載したインタビューを
ごらんください。
例えば年配の
演歌ファンの方も、
このアルバムを聴いて、
「スピッツの『楓』って
良い歌だね」
と藤さんに言って
くれたりしているそうです。
そうそう、
その年配の
演歌ファンの方も、
藤さんがここで『楓』をカバー
しなければ、
その方は一生『楓』を聴かなかった
かもしれません。
よく言われることですが、
良い歌にジャンルは関係ないです。
演歌歌手の
カバーアルバムだからと言って、
演歌・歌謡曲ファンに向けた
選曲ではなく、
それ以外の名曲を選ぶのも、
「あり」ですよね。
藤さんが唄うことによって、
普段は演歌しか聴かない方が、
違うジャンルの音楽の魅力を知れる
可能性もあるワケですから。
逆を言えばポップス系の歌手の方が
演歌をカバーして、
演歌を知らない層に、
演歌の良さを知ってもらう…
というのが「あり」と同じように。
話が脱線してしまいましたけど、
このアルバムの選曲が
何かにおもねることがなくて、
とてもそれが藤さんらしくて、
それがすごく良いと思いました。
藤あや子さんのこのアルバムも、
ぜひ聴いてみてください。
村田
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