2024年9月29日
家にいることが多くなっているので、いつもよりテレビを視てます。
たまたま点けたNHKで『盲亀浮木』という短編ドラマをやってました。どういう話かよく判らないながら、何故か面白くて最後まで視ちゃいました。
タイトルは「とうていあり得なさそうな偶然」をあらわす言葉だそうで、あの志賀直哉先生が原作だそうです。
「あり得ない偶然」ということで、マイケル・クライトン先生の小説で読んだ「ドレイクの方程式」を思い出します。
子供の頃は、宇宙人は絶対にいると思っていました。本に書いてあるように、宇宙が「無限に広い」のなら、よその星に人間に似た生き物がいないと考える方が不自然だと思っていました。
今では宇宙は「無限」ではなく、年齢も大きさも分かっているそうです。となれば、確率計算で「宇宙人はいない」と考えるべきなんだそうです。
この地球では35憶年をかけて、原始生命が文明を持つ高等生物にまで進化しましたが、これはいくつもの「あり得ない偶然」が積み重なった結果。
同じことが有限の宇宙のどこかで、もう一回起こる或いは起こった、と考えるのは確率的に到底ありえない…というのが「ドレイクの方程式」なんですって。
確率的にどれくらい「あり得ない」か、ということをクライトン先生は「ゴミ捨て場を襲ったトルネードが屑鉄を吸い上げ、1台の新品のメルセデスを作り上げるくらいの確率」と説明しておられました。
この話を初めて読んだ時はガッカリしたような、それでいて子供の頃からの疑問(なんで映画みたいな“未知との遭遇”が現実に起こらないんだろう?)が氷解してスッキリしたような、両方の感覚がありましたよ。
志賀直哉先生の原典を読んでみようかな、という気になりました。
(髙村)